楽器が弾けなくても、弾き語りがしたい! CUBASEのコードパッドを使おう!

BEGINNER
UnsplashSteven Erixonが撮影した写真

こんにちは、DTMをのらりくらり30年続けているトミーです。

実は私はDTMをのらりくらり30年続けているのですが、
楽器はほとんど弾けません。

ピアノを弾きながら、美しいバラードを歌ったり、
アコギを弾きながら、軽快な曲を歌ったり、すごく憧れます。

音楽も好き、歌うことも好き、でも楽器の上達には壁が高すぎて・・・。

そんな方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

CUBASEのコードパッドを使うと、指一本ではありますが、
演奏しながら歌うという経験が出来、弾き語りをしながら
作曲するという技術を少し体感できるのではと思います。

では、どんな感じでやっていけば良いのか、解説していきますね!

使いたいコード進行が決まっている場合

世にはたくさんの良質なコード理論を解説してくれている書籍があります。

本当に素晴らしいコード進行を提示してくれていて
そのまま使いたいなぁと思うこともしょっちゅうです。

もちろん楽器が弾ければ、そのまま弾けばいいですし、
CUBASEならコードトラックに打ち込んだりも出来るんですが、

やっぱり、コード進行を鳴らしながら、自分のオリジナルのメロディーを乗せたい!!

そう感じる方も多いのではないかと思います。

例えば、こちらの書籍ではダイアトニック・コードから少し飛び出し、
それでいて、あまりジャジーになりすぎない私の好みの進行が満載です。

この中から一つ、『C→GonB→F→G7』という進行を使って進めてみます。

CUBASEを立ち上げて、コードパッドがない場合は
下記の図の右上のピンクで囲まれた箇所をクリックして下さい。

そうすると、画面の下側に別画面が出てきますので、タブからコードパッドを開いて下さい。

デフォルトでコードが入ってますが、今回は使いたいコードが決まっていますので、
一旦中身を空にします。

左のピンクの箇所をクリックすると、たくさんあるプリセットを選べます。
プリセットを読み込んでみます。

『Empty Pads』を選びましょう!

そうすると、コードパッドの中身が空になります。

ここに先程の『C→GonB→F→G7』の4つのコードを入れていきます。

パッドの左部分をクリックすると

コードエディターが出てきます。

こちらでコードを入力していきますが、

①ルートノート
②主にコードの3度の変化
③7th、9thなどのテンション系
④オンコードのルート

を設定していきます。

コードを入力して、インストゥルメンタルトラックを追加しました。

MIDIキーボードをお持ちの前提でお話しますが、ピンクで囲まれた鍵盤と
コードパッドは連動しており、MIDIキーボードのC1を押すと『C』のコードが
D1を押すと『GonB』のコードが鳴るように設定された状態です。

もちろん、パッドをマウスでクリックしてもコードは鳴りますが、
指1本でも演奏してる気になり、かなり気分も上がるので、
MIDIキーボードの購入はオススメしたいです。

また、今回のケースではパッドがあと9か所空いています。

例えば、代わりの候補になりそうなコードを入れておくのもいいかもしれませんね。

『Cadd9』『Cmaj7』『FonA』『G7sus4』とかどうでしょう?

これで指1本でコードを鳴らしながら、スマホのボイスメモに鼻歌を録音すれば
あとで名曲が出来るかもしれませんよ!

MIDIキーボードに関する記事はこちらもよろしかったら見て下さい!

ボイシングとは

楽器を練習し始めると、壁になってくるのがボイシングです。

例えば、『C→GonB→F→G7』のコード進行をコードの基本形のみで
演奏するとこんな感じですね。

楽器を最初に練習するとなると、まずはこうなると思うのですが、
一般的に伴奏となると水色で囲った部分(コードの一番高い音=トップノート)が
こんなに上下することは絶対にではないですが、あまりないですね。

ボイシングの変更

CUBASEのコードパッドは、ボタン一発でボイシングの変更が可能です。

ピンクで囲まれた部分を上下に選択することでボイシングが変化していきます。
この画面では、下向きの矢印が黒く色がついてませんので、
これ以上、低音のボイシングはないということですね。

ボイシングを一つずつ変化したものをデータにしてみました。

結果的に『C』のコードだけでも12通り(実際はもっと)のボイシングがあり
これを覚えるというか、使いこなすのは楽器が弾けない方にとっては
結構な壁なのではと思います。

ボイシングの基準になるものを決める

コードパッドを一つ選択して、右クリックから
『コードボイシングの予測変換の基準コードに設定』を
選択します。

これを実行することで、基準となるコードが黄色く囲まれ、
他のコードが基準となるコードのボイシングに合う形に変更されます。

この状態でトラックにドラッグしてみましょう。

コードパッドからトラックにドラッグすると、自動的に入力が出来ます。
コードトラックにはコードネームが、インストゥルメンタルトラックにはMIDI DATAが入ります。

MIDI DATAを開いてみると・・・、

トップノートのバラつきが少ない良いボイシングになったのではないでしょうか?
(3小節目のA3の音はオクターブ下げてもいいかもしれませんね?
 この辺りはお好みで必要があれば、手動で直して下さい。)

これで指1本で演奏してみれば、ボイシング的にも良い感じの
伴奏になるかと思います。

プリセットを使ってみる

コードパッドのプリセットにもたくさん使えるものがあります。

例えば、こちらはコードパッドを開いた時に最初に出てくるものですが、
(分からなくなった場合はプリセットから『Factory Default Pads』を
 選択して下さい。)

これも使い勝手がいいですねぇ!

白い鍵盤にはCメジャースケールのダイアトニックコードが入っており、
黒い鍵盤にはそれに対応するセカンダリードミナントが入ってます。

画面のピンクの矢印を連続で選択すればセカンダリードミナントの出来上がりと
いうわけです。

その他、ダイアトニックコードで構成されているわけですから、
この中からコードを選択すれば、破綻しないコード進行が出来上がります。

指1本で直感的にコード進行を作ることが出来るのではないでしょうか?

ボイシングを追従させる

先程は、基本のコードのボイシングを決めて、その他のコードのボイシングが
決定されるやり方でしたが、もう一つ前に鳴らしたコードのボイシングに
追従させる方法もあります。

画面のように各パッドの右上に水色で囲まれた『AV』になっていれば、
前に鳴らしたコードのボイシングに追従する設定になっています。

パッドのボイシングを変更すると解除されてしまいますので、
設定したい場合は、パッドを右クリックして
『コードボイシングの予測変換を有効にする』を選択して下さい。

コードのテンションを変える

コード進行を探っていると、『add9にしたらどうだろう?』とか
『maj7にしたらどうだろう?』とか良くありますよね?

パッド下のピンクで囲まれた部分を選択することで
コードのテンションも簡単に変えることが出来ます。

Cメジャーコードで試してみると・・・、

Dマイナーコードで試してみると・・・、

こんな感じでした。

ちなみにCUBASEの仕様の問題ですが、『add9』コードは
『C9』『Dmin9』のように表記されます。
(上の図の左から2番めみたいな感じです)

これもコード進行を探る際に気軽に試せて重宝しますね!

パッド数を増やしたい

人によっては、『もっとパッドが欲しい』って方もいらっしゃるかもしれません。

例えば、Bメロとサビのコード進行を別々の固まりで表記させたいなど・・・。

これも可能です!

コードパッドの左下の設定ボタンから

『パッドレイアウト』のタブを選択し、オクターブ数を1から2に変更すると・・・、

こんな感じで2オクターブ分のコードパッドが使えるようになりました。

例えば、『C→GonB→F→G7』の進行をサビに
『Am→F→G→C』の進行をBメロに設定して、鍵盤をオクターブごとに
使い分けるなんてことも出来ますね!

ただ、このままですとピンクで囲まれた青い部分しかMIDIキーボードに
対応できていないので、変更しないといけません。

後ろの音域を伸ばして、OKで進んでみて下さい。

注)ダブルクリックで数値を変更できますが、自分の場合『B2』に変更しようとしたら
出来ずに、『D#6』に変更したら出来ました。

コードパッドの保存

残しておきたいプリセットがあれば、忘れずに保存しておきましょう!

ピンクで囲まれた部分をクリックして、『コードパッドのプリセットを保存』を選択

ダイアログが出ますので、名前をつけて保存しましょう!

きちんと保存されてますね!
いらなくなれば右クリックから削除出来ますので、迷ったら保存が良いですね!

歌ってみたけど、キーが合わない

コードパッドでコード進行を作って、合わせて歌ってみたけど
どうもキーが合わない、そんなこともあると思います。

カラオケの感覚で簡単にキーの変更も可能です。

ピンクの画面から『全てのパッドを移調』を選択

出てきたダイアログから何半音上げ下げするか選択します。

今回は4半音上に移調しました。

きちんとCメジャースケールからEメジャースケールに移調されてますね。

やっぱりその人の声に合ったキーを選択するのは重要です。
どんどん使い倒しましょう!

まとめ:楽器が弾けなくても、弾き語りがしたい! CUBASEのコードパッドを使おう!

  1. 使いたいコード進行が決まっている場合
  2. ボイシングとは
    1. ボイシングの変更
    2. ボイシングの基準になるものを決める
  3. プリセットを使ってみる
    1. ボイシングを追従させる
  4. コードのテンションを変える
  5. パッド数を増やしたい
  6. コードパッドの保存
  7. 歌ってみたけど、キーが合わない

いかがでしたでしょうか?

これなら自分にも出来そう!って思っていただけたら嬉しいです。
MIDIキーボードを使うと、弾いた強さによって音量(ベロシティ)も変わるので
自分の感性をより活かした作曲になるのではないでしょうか?

これも一つの作曲手法として、どんどん使っていただけると嬉しいです。

それでは最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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