作曲をしたいなら、好きな曲を分析しながら耳コピ!

BEGINNER
Unsplashregularguy.ethが撮影した写真

こんにちは、DTMをのらりくらり30年続けているトミーです。

作曲を上達したいなら、耳コピ!ってよく聞きますよね。

でも、耳コピってすごく難しいですし、そもそもオリジナル曲作りたいのに
耳コピなんてやる必要あるの?

私も以前はオリジナル曲作るのに、耳コピなんて不要と思ってました。
でも、振り返ると自分が以前作曲を習っていたときにやらされた
耳コピで飛躍的に作曲能力が伸びたのも事実です。

現在の私の意見は、耳コピと言うよりは、自分の好きな曲を
分析してみようということです。

では、進めていきますね!

そもそも耳コピの概念って?

耳コピって言われて、どういうイメージが湧きますか?

楽曲の隅から隅まで聞き取って、間違いのないように完全に形にする。
確かにこれが正解かもしれません。

完コピして、サウンドまで再現するのは素晴らしいことですが、
殆どの方は途中で嫌になってしまうのではないでしょうか?

私の概念では、自分の大好きな曲を深く知ることによって
楽しみながら、より深くその楽曲を理解する。
完璧は求めない

楽しみながらと完璧は求めないは重要です。

自分の大好きな曲はもちろんBGMとして聞いていても、いい気分にさせてくれるでしょう。
しかし、より深く分析することによって、もっと好きになりますし、
自分がどういう部分に惹かれるのかなんて、気づけたりもします。

でも、どこまでやれば?
進めていきましょう!

まずはテンポ

こちらの記事では、CUBASEを使って進めていきます。

対象にする楽曲は可能であれば、バンドスコア等があれば最高ですね。
正解も確認出来ますし、どうしてもわからない部分も確認出来ますから。

バンドスコアに沿って、そのまま打ち込むだけでもすごく学びがありますよ。

まずは、音源をDAWに取り込むところからです。

こちらの図のように選択すると、

このような画面が出てきますので、ご自分の使いたい曲にチェックを入れて
『コピー』ボタンを押すと、読み込みが始まります。

完了したら、『OK』ボタンで出来上がりです。

この段階では、CUBASEのテンポはデフォルトの120で
この楽曲のテンポは分からないので、合わせていかなくてはなりません。

まず最初にやらなくてはいけないのが、小節の頭を探す作業です。
楽曲によってはわかりにくいイントロとかあるので、
わかりやすい所で進めて下さい。

クラッシュ・シンバルやバスドラムが入っている部分などに目処をつけて
探すと見つけやすいかと思います。

今回自分が使用した楽曲ではこの辺りかなぁと感じました。
波形が少し変化してるのもヒントになりますね。
自分で『1,2,3,4』とカウントを取りながら行うとわかりやすいですよ。

次に見つけたポイントを近くの小節の頭に合わせます。

オーディオ・ファイルを選択して、プロジェクトからテンポの検出を選択

分析をクリックすると・・・。

テンポトラックが出来るのですが、拍子が1/4になってしまってますので、
4/4に変更しておきましょう。

これで大体テンポが合っていたのですが、最後の方を聞いてみると
あきらかにズレていたんです。

じっくり最初から最後まで聞いてみると・・・。

こんな感じで1小節だけ、拍子が変わってたんですね。

BGM的な聞き方をしていると、こういうのは気づけないのですが、
こういう風に分析していくと、こういうかっこいいアレンジに気づき、
『自分も使ってみようかなぁ?』になるんですね。

こういうことを積み重ねていき、アレンジの幅を広げる知識を授かるのも
耳コピ、楽曲分析の醍醐味です。

曲の構成を調べる

曲の構成を調べるとは?

Aメロ、Bメロ、サビで基本的に出来ているとか、
サビから始まっているとか、構成を分析することです。

CUBASEはマーカートラックというものがありますので、
これを使わない手はないですね。

マーカートラックが出来上がりますが、ここで一つオススメです。
耳コピにせよ、オリジナル曲を作るにせよ、
マーカートラックやコードトラックは常に上の位置で
見える状態にしておく方が作業がしやすいと思います。

こちらの赤い部分をクリックすると、トラックが分割され
トラックが今後増えていっても、常に表示されるエリアが出来ます。

お好みのトラックをこちらにドラッグ&ドロップで使用できます。

聞きながら、こんな感じで構成を分けてみました。

少し小さくて分かりづらくて、すみません。

表現は何でもいいのですが、どういう固まりで構成されているのかを
把握することが重要です。

例えば、この曲の場合はBメロは基本8小節なのに、ギターソロの後は4小節で
違う拍子を使って、変化を付けてるんだなぁとか、
サビは最後は2回繰り返してるんだなぁとかに気づくのが大事ですね。

キーを判別する

次の作業はキーを判別することです。

なぜ、この段階で先にキーを判別する必要があるのか?

それは・・・、

この後に実際音を聞き取っていく際に確率を上げるためです。

どういうことかというと、
現代のロックやポップスでは基本的にはダイアトニックコードを使ったコード進行が
多いので、例えばこの曲がCメジャーキーということであれば
おのずと出てくるコードは

C Dm Em F G Am (Bm♭5)

Bm♭5は頻度低めなので、実質6個の可能性が高いわけで
#や♭がついたルートノートのコードは確認する順番としては
後回しに出来るわけです。

やみくもに音を合わせるより、可能性が高いものから確認していった方が
効率がいいですからね。

キーを判別するのに一番理想なのは、その曲が終わった感のする箇所を
探すということです。
もし、難しければ各セクションの頭(例えばAメロの頭)のコードとかも
そのキーの主要コードの可能性が高いので、聞き取って確認してみましょう。

この際、ピアノなどの和音を出せる楽器より、単音でプレイするベースで
確認するのをオススメします。

ベースはベースで低音で聞き取りにくいかもしれませんが、
やはり、音数を少なくして確認する方が最終的には早いと思います。

今回自分が使った曲は全体的に哀愁のある暗めな感じの曲で
『E』の音に終わった感があったので、Emキーかなぁと予測しました。

そうすると、使われる可能性の高いコードは

Em (F#m♭5)G Am B&Bm C Dといったところですね。

これをヒントに次に進めていきましょう!

コードのルートノートを聞き取る

ここでも、ベースを使ってコードのルートノートを探っていきましょう。

ルートノートですから、メジャーコード、マイナーコードは
この段階では気にする必要はありませんが、キーを予測して
そのダイアトニックコードも出ているので、それを元に入力するのもアリです。

最初はすごく難しいと思いますが、絶対に段々と慣れてきますので、
焦らずに行きましょう。

CUBASEをお使いの方は、コードトラックに入れていくのがいいでしょう!

こんな感じでコードトラックに入れてみましょう。
ピアノ系の音色を読み込んで、コードトラックの音色に指定すると
コードが鳴ってくれるので、確認してみるとより確信が持てますね!

今回の曲はEmキーで良さそうです。
見事にダイアトニックコードのみを使ってますね。

同様にAメロ部分もやってみました。

あれ?イントロと同じコード進行だぁ、なんて気づいたりもしますね。

Bメロはサブドミナントの『C』から始まっているなぁと気づいたりします。
ここでもダイアトニックコードしか出てきませんね。

サビのコード進行です。

ところどころシンコペーションしてる箇所もありますね。
コードはまたもやダイアトニックコードのみです。

2番は同じコード進行の可能性が高いのでコピペして聞いてみて
問題ないか確認してみましたが、全く同じでした。

ギターソロのコード進行もサビと全く一緒ですね。
最後だけBメロに戻るので、トニックのEmで一旦終止感が出てますね。

こちらがギターソロの後にBメロに戻った部分ですが、
テンポの検出の際に気づいた拍子の変更の他に転調もしてるんですね。

EmキーからGmキーに転調してるんですが、105小節目の『D』のコードを
Gmキーのドミナントと考えて、『D7』に変更したらどうだろう?
なんて発想するのも楽しいですよね。

この曲は誰もが知る洋楽ロックの大ヒット曲なのですが、
全体的に見ると、ほとんどダイアトニックコードの
Em, C, D, Gの4つのコードしか使われておらず
これでもこんな名曲が出来るんだぁって感動しませんか?

あとは各セクションのコードが何のコードで始まっているかにも注目して欲しいです。

今回の楽曲はAメロとサビが『Em』、Bメロが『C』で始まってますが、
違うコードで始めることで雰囲気を変えるのに有効です。

深く聴き込んでアレンジを感じる

さあ、これから細かく音を聞き取っていくんだろうなぁと思った方も
いらっしゃると思いますが、実は聞き取る作業は自分はここで終わりにしちゃいます。

音感を磨いたり、良いことはたくさんあるのですが、
根本的に耳コピが大変すぎるのと、時間がかかりすぎるからです。

全然苦にならないし、時間もたっぷりあるよって方は
ぜひやって頂いたほうがすごく学びになるのは間違いないです。

でも、これまでに解説してきた作業とあと2つやるだけでも
相当な学びになると私は思っています。

次にやる作業は、『楽曲を深く聴き込んで感想をメモする』です。

『え~、そんなの意味あるの?』って思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
ぜひ一度やってみて欲しいです。

自分がやっているのはこんな感じです。

イントロは何かの音がコードで鳴ってるなぁ。
ストリングス?シンセ?オルガン?
後で近い音を探してみよう!

おっ、何か動きのあるベースが入ってきたぞ。

その後、ドラムも入ってきた、フムフム

Aメロで歌が始まったけど、さっきのベースラインと
後ろでシンセかなぁ?コードが規則的に鳴ってるなぁ、
ドラムもシンプルなアレンジ

Bメロでギターのパワーコードも入ってきて、
バックのシンセも少しきらびやかな音に変わったなぁ。
Aメロは8分刻みだった気がするけど、Bメロは4分刻みかな?

サビも動きのあるベースラインが戻ってきた。
ドラムはハイハットじゃなくてライドシンバルかな?

2番のAメロは歌に絡むようなソロっぽいギターフレーズが入ってるぞ。
これ左耳がよく聞こえるからパンで振ってるんだろうなぁ?

2番のBメロとサビは1番とあまり変わらない気がするけど、
そんなに変えなくても、いい曲はいい曲なのかな?

ギターソロの前の間奏、何かかっこいいなぁ。

やっぱり、最後のサビ前の拍子の変更と転調、
ここがこの曲のクライマックスだよね~。

こんな感じで、アレンジを出来るだけ自分の言葉で言語化してみると
何か自分の技になったような気がしませんか?

チャンスがあれば、ぜひご自分のオリジナル曲のヒントにしてみて下さい!

楽譜があれば、答え合わせをする

もし、楽譜があれば答え合わせをしていただきたいです。

メロディー

特にセクションの頭ですが、

  • 何の音で始まっているのか?コードトーンか?
  • どこから始まっているのか?ジャスト?少し前?少し後?
  • ゆったりしたメロディーか?忙しく動きのあるメロディーか
  • そのセクションはどれくらいの音域を使っているのか?
  • 各セクションの音域はどんな感じか?
    また、全体で音域はどんな感じになっているのか?
  • #や♭のついたメロディーはないか?

コード

まずは、全て合っているのかも大事ですが、
通常の三和音以外の7thや9thの場合、その音はどの楽器に使われているのか
確認したりすると、理解が深まりますね。

アレンジ

  • 聞いただけではわからなかった部分があれば、注意して聞いてみる。
  • 歌と楽器が全て同じリズムで演奏されているようなキメの部分があれば
    意識して聞いてみる。
  • 一回目と二回目で新たな楽器が加わってきたりとかがあれば、意識して聞いてみる。

他にもたくさんあるとは思いますが、これだけでも相当技量アップに
つながるのではないでしょうか?

まとめ:作曲をしたいなら、好きな曲を分析しながら耳コピ!

  1. そもそも耳コピの概念って?
  2. まずはテンポ
  3. 曲の構成を調べる
  4. キーを判別する
  5. コードのルートノートを聞き取る
  6. 深く聴き込んでアレンジを感じる
  7. 楽譜があれば、答え合わせをする
    1. メロディー
    2. コード
    3. アレンジ

いかがでしたでしょうか?

なんちゃって耳コピかもしれませんが、これだけでも出来ること
上達できそうな事がたくさんあるのではないでしょうか?

今回ご紹介したものも全てをやる必要はなく
これ使えそうだなぁと思ったものを使っていただければ嬉しいです。

何より楽しんで作曲を続けることが一番大事ですから!

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。

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