Last Updated on 2023年4月15日 by tommy1106
こんにちは、DTMをのらりくらり30年続けているトミーです。
おしゃれなコード進行を作りたい!!
作曲に興味があれば、誰もがそう思いますよね?
でも、おしゃれなコード進行って一体何なんでしょう?
それが分かっていないと作れませんよね。
今回はおしゃれなコードをどうやって追加していくのが
簡単か?解説していきますね!!!
おしゃれなコードとは?
おしゃれなコード、かっこいいコードって何なんでしょうか?
逆に言うと、おしゃれじゃないコード、ダサいコードって何なんでしょうか?
一言でいうと、ありきたりな感じってことではないでしょうか?
誰でも本を読んで簡単なコード進行を作ってというのは
比較的出来るのではと思います。
これをおしゃれにするのは一つの壁になりますよね?
コード理論の本等を読むとすごく複雑なコードが出てきたり、
難しい話が出てきたりして、嫌になってしまったりしますよね?
自分がすごく感じたのは、ハードロック、ポップス等をやるのであれば、
そこまで複雑なコードは必要ないのではないか?ということ。
では、どうすれば良いのか?
前回の記事では、
『作曲がうまくいかない? ②コード進行を1コーラス分先に決めちゃいましょう!』
『Key=Cの時は、鍵盤を弾く時は黒い鍵盤を使わず
楽譜で言えば#や♭の音を使わなければ、大きく外れたものには
ならないということです。』
とお伝えしました。
これは最初にコード進行を作る時には選択肢を減らして
全体像をまとめるためにこれで先に1コーラス分作りましたが、
逆に言うとこれが『ありきたり』を作り出しています。
ということは・・・、
『Key=Cの時に、鍵盤を弾く時は黒い鍵盤を使ったり
楽譜で言えば#や♭の音を使ったりすれば、少し外れたものに
なるということです。』
ただし、くれぐれも使いすぎには注意して下さいね。
どこがポイントなのかわからなくなってしまいますので・・・。
では、先に進めていきましょう!
マイナースケール
以前にメジャースケールについてお伝えさせていただきました。
コードにもマイナーコードがあるようにスケールにもマイナースケールがあります。
Key=Cの場合は(他のKeyでもですが)メジャースケールの6番目の音から
同じ音を辿るとマイナースケールの出来上がりです。
今回はラ(A)の音から始まりますので、Aマイナースケールと言う呼び方になります。
実はマイナースケールには他にも2つあるけど
ここでは一番簡単なAナチュラルマイナースケールの
説明だけにしておくね!
上のメジャースケールと見比べていただくと、全く同じ音が違う位置から
始まっているだけですね。
こういう関係を理論的に平行調といいますが、
あまり難しく考えずにKey=CとKey=Amは自由に行き来できると考えていただければ
良いかと思います。
なぜ、ここでマイナースケールのことをお伝えしたのかは
先に続けていきますので、もう少しお付き合い下さいね!
ドミナント・モーション
前回コードには進みたい方向があるの中で
5→1の動き(Key=Cであれば、G→C)は終わった感のある強烈なコード進行と
お伝えしました。
最初にコード進行を1コーラス分作る段階ではあえて『セブンスコード』を
使わないようにしたのですが、この5→1の動きに関してはセブンスコードを
使ったほうがより強烈になります。
5→1の動きの時に3和音を使うか4和音を使うかはお好みで良いかと思いますが、
4和音の方がより終わった感のある進行ということは覚えておいて下さいね!
ちなみにセブンスコードは『G』のコードに音符をさらにお団子のように
1つ加えます。
コードの基本形で打ち込みをすると、上図のようになりますが、
基本的に伴奏等の場合はトップノート(一番高い音)があまりにも上下すると
歌の邪魔になったりしますので、近くに合わせたほうがベターです。
今回は『C』の下2つの音を1オクターブ高くなるように変更しました。
これを『ボイシングの転回』といいます。
さて今度はマイナースケールの場合を見てみましょう!
Aマイナースケールにお団子のように音符を重ねて出来上がったダイアトニックコードが
下記になります。
出てきたコードは完全にKey=Cの時と一緒ですよね!
ただここで一つ問題が出てきます。
上のドミナント・モーションは5番目の音のセブンスコードから1番目のコードへの
動きですが、こちらの5番目のコード『Em』に音符を一つ重ねると『Em7』という
コードとなり、『セブンスコード』ではないんですね。
そうすると5→1の動きが弱くなってしまうんです。
ですので、ここは特例で『Em7』を『E7』にします。
違いは1番目と2番めの音の鍵盤数(距離)でしたね。
こんな感じになります。
この『E7』を使うと、E7→Amのドミナント・モーションが出来上がります。
おや?
ここで初めて黒い鍵盤(#音)が出てきましたね。
Key=C、Key=Amにおいての『E7』は少しルールから外れたコードで
おしゃれに出来る一つの候補になります。
サビに使いやすい、簡単おしゃれコード
私が個人的に簡単でオシャレにしやすいなぁと思うコードがこの2つです。
- サブドミナントマイナー
- オンコード
コード理論を学んでいると、テンションコードなるものが出てきます。
個人的な感覚でいうと、ナインス(9th)とかはまだしも、
イレブンス(11th)、サーティーンス(13th)なんかは
オシャレではあるけど、響きが複雑すぎて特にロック、ポップスなんかには
合わない上に、うまく使いこなすのは難しいです。
知識として知っておくのはもちろん素晴らしいことですが、
まずはできるだけ簡単な物を自分の物にする方が優先順位は
高いと思います。
使えないと全く意味はありませんからね。
1.サブドミナントマイナー
コードには下記の役割、用語があります。
Key=Cの場合
トニック | 1 | C | 曲の始まりや終わりに適している、どこにも動きやすく安定している |
サブドミナント | 4 | F | 万能型、1にも5にも動きやすい、安定感は1と5の中間位 |
ドミナント | 5 | G | 基本的には1への動き、不安定な感じ |
ご覧のようにサブドミナントコードとはKey=Cでいうところの『F』のコードになりますが
『F』はメジャーコードですよね?
これを無理矢理マイナーコードにして使ってみようということになります。
(理論的には同主調のCマイナースケールから借りてきたなんて言い方を
することが多いですが、難しく考えずに使ってしまいましょう!)
ここでも黒い鍵盤が出てきました。
(CUBASEの仕様上、『G#』という表記になってますが
理論的には『A♭』の方が良いですね、同じ音ではあるのですが・・・
こういうのを異名同音といいます。)
よくあるコード進行がF→Fm→Gです。
こちらがF→Fm→Gのコード進行をボイシングを変更したものです。
注目していただきたいのが、トップノートが鍵盤一つずつ規則正しく
下がってきてますよね?
これはコード進行を作る上で気持ちの良い流れを作るのに
とても大切なポイントになりますので、他のコード進行の際にも
意識してみて下さいね!
サブドミナントマイナーを使うと哀愁のある何ともいい味の
コード進行が作れます。
2.オンコード
オンコードとは通常のコードのルート部分に違う音をもってくることですね。
両手でピアノを弾いているイメージで打ち込みしたものです。
これだけでも結構イメージが変わりますよ。
もちろん、ルート(一番下の左手で弾いている音)は
コード内の音でなくても構いません。
例、ConD、ConF等。
ただし、同一スケール内の音の方が無難ですし、
イメージした音に出会う確率は高いと思います。
サビ以外でも使いやすい、簡単オシャレコード
- サスフォーコード(sus4)
- アドナインスコード(add9)
1.サスフォーコード(sus4)
正式にはsuspended 4thといいますが、suspendedとは『保留された』というような
意味合いがあります。
例として、Csus4でみていきましょう。
通常の『C』であれば、ド(1)、ミ(3)、ソ(5)の構成になっています。
この真ん中のミ(3)の音が一時的に保留されて、ファ(4)になるという
少し特殊なコードとも言えます。
ド(1)、ファ(4)、ソ(5)の構成になります。
一時的に保留ということからも、基本的には通常の『C』に戻りたくなる
Csus4→Cのように同じルートのメジャーコード、マイナーコードに
戻るケースが多いです。
一番良く使われるケースはドミナントコードの前にsus4コードを置くパターンですね。
Key=Cならば、Gsus4→G→Cですね。
G→Cだけでもドミナント・モーションで強烈な進行なのに
Gsus4でさらに一時保留して、さらに強烈な進行にしているということです。
2.アドナインスコード(add9)
まずは、『ナインス』とは何ぞやというところからですが、
CDEFGABCは12345678とお伝えしましたが、その次の音は
1オクターブ高い『D』であり9であると考えます。
addは足すという意味なので、9番目の音を足すという解釈になります。
例として、Cadd9でみていきましょう。
通常の『C』であれば、ド(1)、ミ(3)、ソ(5)の構成になっています。
ここに、レ(9)の音を足すということになりますので、
ド(1)、ミ(3)、ソ(5)、レ(9)の構成になります。
専門書等でも解釈はまちまちなのですが、
鍵盤を弾く場合は9の音は遠いので、レ(9)をレ(2)に変更
ド(1)、レ(2)、ミ(3)と
近い音が密集してきれいに響かないことからミ(3)を省略して
ド(1)、レ(2)、ソ(5)の構成とするのが一番実用的かと思います。
CUBASEではド(1)、レ(2)、ソ(5)で構成されるコードを
サスツー(sus2)と表記されています。
使い所としては特に制限はないのですが、
個人的にはKey=Cであればトニックの『C』を『Cadd9』に変更して
おしゃれ感を出したりして、よく使ったりします。
3.サスフォーコード(sus4)とアドナインスコード(add9)の合わせ技
これも定番といえば定番なのですが、特にドミナントコードの部分で
Gsus4→G→Gadd9→Gなんてパターンも良くみかけます。
ありきたりかもしれませんが、個人的にはオシャレで大好きな進行です。
真ん中の音がド→シ→ラ→シと規則正しく動いているのが
気持ちよさを感じられる原因ですね!
実際に自分の曲に活用してみた
前回は6つのコードだけでこちらのコード進行を作りました。
Aメロ=Am→G→F→Gの繰り返し
Bメロ=F→Am→Dm→G
サビ=C→Em→F→G
AメロのAmに戻る。
これにオシャレ技を足してみたのがこちらです。
オシャレ技は他にもたくさんありますが、特に簡単と思えるものを
ピックアップしましたので、皆さんご自身で色々試してみてください。
Aメロ
2小節目をGadd9に変更(CUBASEでは仕様上sus2という表記になります)
4小節目を分割してGsus4→Gに
5~8小節目は、1~4小節目と同じに
Bメロ
4小節目をオンコードのGonBに変更
サビ
1小節目をC→Cadd9に変更
4小節目を分割してGsus4→Gに
7小節目を分割してF→Fmにしてサブドミナントマイナーを使用
8小節目を分割してG→E7onG#に変更、これは次のAmに対してのドミナント・モーション
これでだいぶおしゃれになったのではないでしょうか?
では、ここで簡単にピアノ音色で全体の伴奏を作ってみます。
こんな感じで6小節目1拍目表に8分音符分の長さでAmのコードを入力
6小節目1拍目裏に8分音符分の長さで1オクターブ低いAの音を入力
これがピアノ伴奏で一番一般的なパターンです。
入力が終わったら、全ての音を選択して『Ctrl+D』キーを3回押すと
1小節分のパターンが出来上がります。
今度はプロジェクト全体の画面で6小節目を選択して、曲の最後まで『Ctrl+D』キーで
ペーストします。
このままですとAmのパターンが延々と続いているだけですので、
コードトラックの追従機能を利用します。
ピアノが入っているトラックを選択します。
コードトラックに追従で色々選択出来るのですが、『ボイシング』が一番良かったので、
これにしてみました。
(他を選択すると、うまく追従しなかったりしました・・・)
出てきたダイアログはいじらずにそのまま『OK』で進めます。
最後だけジャ~ンと終わらせたかったので、変更しましたが、
それ以外は何もいじらずに出来上がったデータが↓です。
これでだいぶおしゃれ感が出てきたのではないでしょうか?
他にもいろいろオススメのものがありますので、
よろしかったら、こちらもご覧ください!
まとめ:作曲がうまくいかない? ③オシャレなコードを追加してみよう!
今回のサンプルはあくまでも一例ですが、皆さんが作曲する上で
何かヒントになったり、参考になったりがあればすごく嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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