こんにちは、DTMをのらりくらり30年続けているトミーです。
音楽理論を一生懸命勉強して、新しい知識を手に入れたら
使いたくなるってのが人間ですよね。
でも、勉強したものをいきなり使いこなすのはとても難しい。
今回はせっかく学んだ知識を使うところをスタートにするのではなく、
使わざるを得ない状況で使うという視点で、
特にテンションコードや、オンコードについて見ていきたいと思います。
基本的なメロディの付け方
まず最初にお話したいのが、音楽制作は自由であるということです。
でも、基本的なルールというものはまちがいなく存在し、
そこから少しずらしたりするのが作曲の醍醐味なのではと
個人的には思っています。
メジャースケール
まず、メロディとコードの関係の基本中の基本のお話ですが、
![](https://music-praise.com/wp-content/uploads/2023/11/2023-11-14_10h30_50.png)
Cメジャースケールの場合は、ドレミファソラシ(1234567)という音で構成されており
さらに上に進むとド(1)の1オクターブ上のド(8)、
テンションノート(一部です)として、9(レ)、11(ファ)、13(ラ)
なんて音が出てきます。
ダイアトニックコード
![](https://music-praise.com/wp-content/uploads/2023/11/2023-11-14_10h43_00.png)
先程のCメジャースケールの音を一つずつとばしてさらに3つ(合計4つ)
重ねたものが、Cメジャースケールでのダイアトニックコードになります。
ここで2つの図を見ながら、例えばド(1)に対して
他のレミファソラシはどういう関係なのかを見ていきたいと思います。
スケールとコードの関係
コードトーン
ド(1)を基本に考えた場合はダイアトニックコードでは
CM7(ド、ミ、ソ、シ)の音から構成されていますので、
これらはコードトーンになります。
ノンコードトーン
ド(1)を基本に考えた場合はレ(2)ファ(4)、ラ(6)は
コードトーンに含まれておりませんので、ノンコードトーンになります。
ノンコードトーンはテンションノートとアボイドノートに振り分けます。
(アボイドとは英語で避けるという意味ですね、音楽的な意味合いも一緒で
避けたほうが良い音という意味になります)
アボイドノートとはその音がコードの半音上の音とぶつかる音のことです。
![](https://music-praise.com/wp-content/uploads/2023/11/2023-11-14_10h30_50-1.png)
小さくて見づらいのはご容赦いただきたいのですが、
Cメジャースケールの場合はメジャースケールの並べ方の特性上
ミとファ、シとドが半音の関係になっています。
ということはコードにミかシが含まれているときは
ファとドの音がアボイドノートになることに要注意ということになります。
今回のノンコードトーンのレ(2)ファ(4)、ラ(6)は
コードトーンのCM7(ド、ミ、ソ、シ)と一緒に鳴らしてしまうと
ファ(4)の場合、コードのミとぶつかってしまいます。
ですので、今回はレ(2)、ラ(6)をテンションノート
ファ(4)をアボイドノートという区分けにします。
M7コードは要注意
ここで一つ例外的な気をつけてほしい点があります。
それはM7コードです。
今回のCM7(ド、ミ、ソ、シ)でのド(1)を見ていただくと
コードトーンではあるのですが、コード内のシ(7)とぶつかってしまいます。
こういった場合はCM7ではなく、三和音のC(ド、ミ、ソ)を使うことで
ド(1)はアボイドノートではなくなります。
同様にFM7(ファ、ラ、ド、ミ)でのファを見ていただくと
コードトーンではあるのですが、コード内のミとぶつかってしまいます。
こういった場合はFM7ではなく、三和音のF(ファ、ラ、ド)を使うことで
ファはアボイドノートではなくなります。
まとめると
以上のことをまとめると、
コード『CM7』を鳴らした場合
- コードトーン - ド(1)、ミ(3)、ソ(5)、シ(7)
ただし、M7の場合はド(1)はアボイドノート - テンションノーㇳ - レ(2)、ラ(6)
- アボイドノート - ファ(4)
全てのコードで一覧にまとめると
コードトーン | コードトーン(7TH) | テンションノート | アボイドノート | 注意点 | |||
CM7 | ド、ミ、ソ | シ | レ、ラ | ファ | M7の場合ドは アボイドノート | ||
Dm7 | レ、ファ、ラ | ド | ミ、ソ、シ | ||||
Em7 | ミ、ソ、シ | レ | ラ | ド、ファ | |||
FM7 | ファ、ラ、ド | ミ | レ、ソ、シ | M7の場合ファは アボイドノート | |||
G7 | ソ、シ、レ | ファ | ミ、ラ | ド | |||
Am7 | ラ、ド、ミ | ソ | レ、シ | ファ | |||
Bm7b5 | シ、レ、ファ | ラ | ミ、ソ | ド |
メロディーの定義
ここでは、メロディーの定義として
特にコードチェンジのタイミングでどういう性格の音を鳴らすかと
いうルール付けをしたいと思います。
- コードトーン - コードと同じ音を鳴らすことで安定感がある。
- テンションノーㇳ - ノンコードトーンを鳴らすことで不安定感や緊張感がある
- アボイドノート - 原則使用禁止
これはあくまでもコードチェンジのタイミングのメロディーを決める上での
基本的なルールという認識です。
例えば、Em7(ミ、ソ、シ、レ)のコードが鳴っている際に、
ソ~、ファ~、ミ~というメロディーがあれば
ファの音はアボイドノートではありますが、経過音的な使い方なので
コードチェンジのタイミングではなく、短めの音価であれば
それほど気にならないと思います。
メロディーとコードの関係、実例(コードトーン重視)
![](https://music-praise.com/wp-content/uploads/2023/11/2023-11-14_12h42_19-1024x525.png)
こちらの例では1小節目から3小節目までは『ミ』の音
4小節目は『レ』の音がコードチェンジの際に鳴っています。
それぞれ詳しく見てみると
- 1小節目 - コード『C』に対して、3度の『ミ』でありコードトーン
- 2小節目 - コード『Am』に対して、5度の『ミ』でありコードトーン
- 3小節目 - コード『FM7』に対して、7度の『ミ』でありコードトーン
- 4小節目 - コード『G』に対して、5度の『レ』でありコードトーン
全てのコードチェンジに対して、コードトーンが使われており、
良い悪いは別にして、音楽的にはおかしくない安定的なサウンドになってますよね。
メロディーとコードの関係、実例(コードトーン無視)
![](https://music-praise.com/wp-content/uploads/2023/11/2023-11-14_12h50_11-1024x579.png)
わざとやってるんですが、ちょっとおかしな感じですよね?(汗)
それぞれ詳しく見てみると、
- 1小節目 - コード『C』に対して、2度の『レ』でありノンコードトーン
- 2小節目 - コード『Am』に対して、4度の『レ』でありノンコードトーン
- 3小節目 - コード『FM7』に対して、6度の『レ』でありノンコードトーン
- 4小節目 - コード『G』に対して、4度の『ド』でありアボイドノート
特に4小節目のアボイドノートは避けたいところです。
コードを変更して、メロディーを補完する(オンコード編)
それでは、コードを変更してメロディーを補完して
違和感のない響きに変更していきましょう。
ここでは、コード進行のC→Am→FM7→Gは気に入っているので
変更したくないという前提です。
コード進行は基本的にルートノートの動きなので、
オンコードの分母はこちらのルートノートをそのまま使い
分子にコードチェンジ時のメロディーを含むコードを乗っけてみるという
やり方です。
![](https://music-praise.com/wp-content/uploads/2023/11/2023-11-14_13h05_32-1024x545.png)
それぞれ詳しく見てみると、
- 1小節目 - コード『G/C』に変更したことにより、
分子のコード『G』の5度の『レ』でありコードトーン - 2小節目 - コード『G/A』に変更したことにより、
分子のコード『G』の5度の『レ』でありコードトーン - 3小節目 - コード『Dm/F』に変更したことにより、
分子のコード『Dm』の1度の『レ』でありコードトーン - 4小節目 - コード『F/G』に変更したことにより、
分子のコード『F』の5度の『ド』でありコードトーン
これでメロディーは全てコードトーンになり
かつオンコードの独特の響きが加わったおしゃれなパートに
なったのではないでしょうか?
コードを変更して、メロディーを補完する(テンションコード編)
考え方はオンコードの時と同じですが、
コードにメロディーの音を補完するという考え方ですね。
![](https://music-praise.com/wp-content/uploads/2023/11/2023-11-14_13h19_31-1024x567.png)
それぞれ詳しく見てみると、
- 1小節目 - コード『Cadd9』に変更したことにより、9度の『レ』の音を補完
- 2小節目 - コード『Am7/11』に変更したことにより、11度の『レ』の音を補完
- 3小節目 - コード『FM7/13』に変更したことにより、13度の『レ』の音を補完
- 4小節目 - コード『Gsus4』に変更したことにより、4度の『ド』の音を補完
11度=4度、13度=6度ですから、もう少しシンプルにこんなのもアリですよね!
![](https://music-praise.com/wp-content/uploads/2023/11/2023-11-14_13h28_02-1024x596.png)
- 1小節目 - コード『Cadd9』に変更したことにより、9度の『レ』の音を補完
- 2小節目 - コード『Asus4』に変更したことにより、4度の『レ』の音を補完
- 3小節目 - コード『F6』に変更したことにより、6度の『レ』の音を補完
- 4小節目 - コード『Gsus4』に変更したことにより、4度の『ド』の音を補完
まとめ:作曲時にメロディとコードが合わないときこそ、複雑なコードを使うチャンス!
いかがでしたでしょうか?
メロディーとコードが合わなくて、直す必要を感じるときこそ、
こういった知識を使い、メロディーとコードの関係も良くなり
かつコードの響きも良くなり、一石二鳥ではないでしょうか?
アボイドノートに関しては、修正したほうが良いかと思いますが、
テンションノートに関してはそのままメロディーを補完せずに
例えば、コード(ド、ミ、ソ)、メロディー(レ)で
全部合わせてトータルで『Cadd9』みたいなやり方もあります。
お好みはそれぞれですが、メロディーをコードで補完することにより
歌いやすくなるというメリットが私は個人的には大きいです。
また、これからコード進行にメロディーを乗せるなんて場合も
1小節目と2小節目は落ち着いたコードトーンを使って
3小節目はあえてノンコードトーンから始めてみようかなぁなんて
発想も生まれてくるのではと思います。
こういったことをお好きなアーティストさんの楽曲を研究するのも
超オススメです。
それでは最後までお読みいただき、ありがとうございました。
皆様の作曲に少しでも参考になれば幸いです。
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