スケール外のコードを使って、かっこいいコード進行を作ってみよう!

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UnsplashAnne Nygårdが撮影した写真

こんにちは、DTMをのらりくらり30年続けているトミーです。

作曲をする時に、定番のコード進行を使うことって多いと思います。
定番のコード進行は曲が安定するというメリットはありますが、
その反面曲がありきたりになってしまったり、後でメロディーを乗せるときも
なかなかいいメロディーが浮かばないなんてこともあると思います。

何かがっつり勉強しなくても、お手軽にかっこよく出来る方法がないかなぁって
方にオススメなのが、4小節や8小節の定番のコード進行の一部を
入れ替えてみるという手法です。

皆様の作曲に何かお役に立てれば幸いです。

まずは基本の確認から

音楽(特に歌モノ)を作る際はキー(スケール)とそこから派生するダイアトニックコードを
用いて作曲していくのが基本です。

キー(スケール)

このように決められた間隔で音が並んでいるものを『スケール』
(今回の並び方はメジャースケール)
そして、何の音で始まっているかで呼び方が変わります。

上の図はド(C)の音から始まっているので、『Cメジャースケール』になります。

ダイアトニックコード

こちらがダイアトニックコードになります。

一番上の音がない3つの音で構成された3和音のダイアトニックコードもありますが
今回は4和音のダイアトニックコードを表記致しました。

先程の『Cメジャースケール』に規則をもって
(白い鍵盤を一つ飛ばしながら、3つの音を重ねる)
出来上がった音の固まり(和音)ですね。

ここは本当に最低限避けては通れない絶対必要な知識です。

詳しく解説した記事もありますので、ご興味がある方はぜひこちらもご覧下さい。

定番のコード進行とは?

定番のコード進行の概念は人それぞれかと思いますが、
基本的には上であげた7つのダイアトニックコードだけを使った
コード進行と言えるのではないかと思います。

例えば、こちらですね。

CM7→Em7→FM7→G7というよくある進行ですね。

上記の7つのダイアトニックコードの中のものしか使っていないので、
音楽的に破綻することはありません。

個人的にはこれはこれで素敵な進行だし、使いやすいとは思いますが
少し変わったコードも使ってみたくなりますよね。

スケール外のコードとは?

スケール外のコードって言われても何のことか意味がわからんって方も
いらっしゃると思います。

簡単に説明すると、上のCメジャースケールで出てきた『ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ』
以外の音がコードに含まれるということです。

Cメジャースケールの場合には黒鍵を使うということです。

しかしながら闇雲に使ってしまっては曲が破綻してしまいます。

ここでは特にルートノート(CM7ならC、Dm7ならD)に注目して
コードを入れ替えてみるということをやっていきましょう。

裏コード

裏コードって聞いたことありますでしょうか?

こちらはCUBASEの五度圏という機能を使った図になりますが、

C⇔Gb(F#)
G⇔Db(C#)
A⇔Eb(D#)
E⇔Bb(A#)など

五度圏上の対角線上にあるものは裏コードといいます。

それぞれは音楽理論的に言うと『増4度』という関係で
鍵盤上で言うとスタートの音も含めて黒い鍵盤も含めて7つ先の音です。
スケール上で真反対の音ですね。

ドミナントセブンス・コードの裏コード

ドミナントセブンス・コードとは基本的には不安定な響きから(Cメジャースケールの場合はG7)
その曲の最も安定するトニック・コード(Cメジャースケールの場合はCやCM7)
に進行して曲を終止させたりする、その曲のキーを決定づける
最も重要なコード進行と言っても過言ではありません。

先程のCM7→Em7→FM7→G7という進行にCM7を加えて
G7→CM7という進行を作りました。

4小節目から5小節目のG7→CM7という進行で曲が終わった感が出ていますよね。

これはご存知の方もたくさんいらっしゃると思いますが、
五度圏の反対側のコードは代理コードとして使えるんですね。

つまり、『G7』の代わりに『Db7(C#7)』が使えるんです。

代理コードには共通音が使われますが、こちらの2つのコードは
B(シ)の音とF(ファ)の音が共通で使われてます。

2つのコードで共通音が2つあるのは珍しいことではありませんが、
この2つは音楽理論的には『トライトーン』と呼ばれ
非常に不安定な響きになります。

このB(シ)の音とF(ファ)の音が不安定で
安定したCのコード内のC(ド)の音とE(ミ)の音に進むことにより
めちゃくちゃ安定感が出るんですね。

ということでCM7→Em7→FM7→G7→CM7の進行で
『G7』と『Db7』を入れ替えてみましょう!

やはり、4小節目の『Db7』のところで『おっ?』ってなりますよね。
感じ方は個人差があると思いますが、少しオシャレ感が出て
ルート音がC#→Cと半音で下がるので、安定感を感じます。

ドミナントセブンス・コード以外の裏コード

先程のドミナントセブンス・コードの裏コードは書籍等にも
よく紹介されているので、ご存じの方も多いのではと思います。

しかし、これだけではなく他のコードも裏コードとして
使えるものもあるんです。

こちらの下段の水色で囲んだコードはコードの機能としては
『トニック』となります。

こちらにも裏コードを適用してみたいと思います。

こちらの五度圏の図の通り、Cメジャースケールのトニック・コードの
裏コードは以下のルートノートを使用したコードということになります。

CM7⇔Gb(F#)
Am7⇔Eb(D#)
Em7⇔Bb(A#)

一つずつ見ていきましょう!

トニック・コード/ルート『C』の場合の裏コード

例えば、このようなコード進行があったとします。

この2小節目の『CM7』にルートノート『F#』のコードを使ってみます。

ここでは2小節目の『CM7』の代わりに『F#m7b5』のコードを使ってみました。
なぜ、このコードを使ったかというと、、、

『F#m7b5』を選んだ場合は図の通り、『#』の付く音が1つだけで、
残りの3つの音は『ラ、ド、ミ』と『ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ』の中の音と
共通なので、違和感が少ないんですね。

『F#M7』を選んだ場合は(CUBASEの仕様上『GbM7』の表記になってます)
図の通り、『#』の付く音が3つもあって(共通音が1つしかない)、
違和感が大きくなります。

もちろん、違和感が大きい雰囲気にしたい場合は意図的に
共通音の少ないコードを選ぶのもアリです。

トニック・コード/ルート『A』の場合の裏コード

今回はこちらのコード進行で進めます。

この2小節目の『Am7』にルートノート『Eb』のコードを使ってみます。

今回は共通音が2つ存在する『EbM7』を選んでみました。

トニック・コード/ルート『E』の場合の裏コード

今回は最初に使用したCM7→Em7→FM7→G7という進行を使いました。

この2小節目の『Em7』にルートノート『Bb』のコードを使ってみます。

こちらは共通音が3つ存在する『BbM7』を選んでみました。

裏コード上のメロディーはどうする?

コード進行は良くなったけど、メロディーはどうしよう?ってなりますよね。

基本的な考え方は以下の2つになるかと思います。

  1. スケール外のコードを使っていることをアピールしたい場合
  2. スケール外のコードをさりげなく使っていることにしたい場合

スケール外のコードを使っていることをアピールしたい場合

メロディーを付ける基本中の基本はそのコードが鳴っている時に
目立つ音(コード・チェンジの音や長くなっている音)を
コードトーンに合わせることです。

裏コードは『Cメジャースケール』から外れるコードになるので、
『ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ』以外のコードトーンを使うと
その裏コードをよりアピール出来ることになります。

コードが『BbM7』に変わったタイミングにCメジャースケール上にはない
『Bb』(CUBASEの仕様上『A#』の表記になってます)の音を使ってます。

はっきりとスケール外のコードを使っていることが感じられるのでは
ないでしょうか?

スケール外のコードをさりげなく使っていることにしたい場合

スケール外のコードをさりげなく使っていることにしたい場合は
逆にスケール外の音をメロディーには使わず、
コードトーンであり、『ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ』内の音を使います。

先程の例でいくと、『BbM7』のコードトーンは『シb、レ、ファ、ラ』ですので、
『レ、ファ、ラ』の音をコード・チェンジのタイミングで使ったりすると
さりげなさを演出出来るのではないでしょうか?

メロディーにスケール外の音を使わなかったことで
スケール外のコードをさりげなく使えていると思うのですが、
いかがでしょうか?

まとめ:スケール外のコードを使って、かっこいいコード進行を作ってみよう!

いかがでしたでしょうか?

スケール外のコードを使う方法は他にもありますが、
今回ご紹介した方法は五度圏の反対側の音をルートに持つコードと
入れ替えるだけなので、比較的カンタンに試すことが出来るのではないでしょうか?

また、スケール外のコードを使って、それを際立たせるだけではなく
さりげなく使ったり、様々な使い方をお好みで試していただければ
嬉しく思います。

今回の記事が皆様のお役に立てれば幸いです。

それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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