こんにちは、DTMをのらりくらり30年続けているトミーです。
作曲をする時に、定番のコード進行を使うことって多いと思います。
定番のコード進行は曲が安定するというメリットはありますが、
その反面曲がありきたりになってしまったり、後でメロディーを乗せるときも
なかなかいいメロディーが浮かばないなんてこともあると思います。
何かがっつり勉強しなくても、お手軽にかっこよく出来る方法がないかなぁって
方にオススメなのが、4小節や8小節の定番のコード進行の一部を
入れ替えてみるという手法です。
皆様の作曲に何かお役に立てれば幸いです。
まずは基本の確認から
音楽(特に歌モノ)を作る際はキー(スケール)とそこから派生するダイアトニックコードを
用いて作曲していくのが基本です。
キー(スケール)
このように決められた間隔で音が並んでいるものを『スケール』
(今回の並び方はメジャースケール)
そして、何の音で始まっているかで呼び方が変わります。
上の図はド(C)の音から始まっているので、『Cメジャースケール』になります。
ダイアトニックコード
こちらがダイアトニックコードになります。
一番上の音がない3つの音で構成された3和音のダイアトニックコードもありますが
今回は4和音のダイアトニックコードを表記致しました。
先程の『Cメジャースケール』に規則をもって
(白い鍵盤を一つ飛ばしながら、3つの音を重ねる)
出来上がった音の固まり(和音)ですね。
ここは本当に最低限避けては通れない絶対必要な知識です。
詳しく解説した記事もありますので、ご興味がある方はぜひこちらもご覧下さい。
定番のコード進行とは?
定番のコード進行の概念は人それぞれかと思いますが、
基本的には上であげた7つのダイアトニックコードだけを使った
コード進行と言えるのではないかと思います。
例えば、こちらですね。
CM7→Em7→FM7→G7というよくある進行ですね。
上記の7つのダイアトニックコードの中のものしか使っていないので、
音楽的に破綻することはありません。
個人的にはこれはこれで素敵な進行だし、使いやすいとは思いますが
少し変わったコードも使ってみたくなりますよね。
スケール外のコードとは?
スケール外のコードって言われても何のことか意味がわからんって方も
いらっしゃると思います。
簡単に説明すると、上のCメジャースケールで出てきた『ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ』
以外の音がコードに含まれるということです。
Cメジャースケールの場合には黒鍵を使うということです。
しかしながら闇雲に使ってしまっては曲が破綻してしまいます。
ここでは特にルートノート(CM7ならC、Dm7ならD)に注目して
コードを入れ替えてみるということをやっていきましょう。
裏コード
裏コードって聞いたことありますでしょうか?
こちらはCUBASEの五度圏という機能を使った図になりますが、
C⇔Gb(F#)
G⇔Db(C#)
A⇔Eb(D#)
E⇔Bb(A#)など
五度圏上の対角線上にあるものは裏コードといいます。
それぞれは音楽理論的に言うと『増4度』という関係で
鍵盤上で言うとスタートの音も含めて黒い鍵盤も含めて7つ先の音です。
スケール上で真反対の音ですね。
ドミナントセブンス・コードの裏コード
ドミナントセブンス・コードとは基本的には不安定な響きから(Cメジャースケールの場合はG7)
その曲の最も安定するトニック・コード(Cメジャースケールの場合はCやCM7)
に進行して曲を終止させたりする、その曲のキーを決定づける
最も重要なコード進行と言っても過言ではありません。
先程のCM7→Em7→FM7→G7という進行にCM7を加えて
G7→CM7という進行を作りました。
4小節目から5小節目のG7→CM7という進行で曲が終わった感が出ていますよね。
これはご存知の方もたくさんいらっしゃると思いますが、
五度圏の反対側のコードは代理コードとして使えるんですね。
つまり、『G7』の代わりに『Db7(C#7)』が使えるんです。
代理コードには共通音が使われますが、こちらの2つのコードは
B(シ)の音とF(ファ)の音が共通で使われてます。
2つのコードで共通音が2つあるのは珍しいことではありませんが、
この2つは音楽理論的には『トライトーン』と呼ばれ
非常に不安定な響きになります。
このB(シ)の音とF(ファ)の音が不安定で
安定したCのコード内のC(ド)の音とE(ミ)の音に進むことにより
めちゃくちゃ安定感が出るんですね。
ということでCM7→Em7→FM7→G7→CM7の進行で
『G7』と『Db7』を入れ替えてみましょう!
やはり、4小節目の『Db7』のところで『おっ?』ってなりますよね。
感じ方は個人差があると思いますが、少しオシャレ感が出て
ルート音がC#→Cと半音で下がるので、安定感を感じます。
ドミナントセブンス・コード以外の裏コード
先程のドミナントセブンス・コードの裏コードは書籍等にも
よく紹介されているので、ご存じの方も多いのではと思います。
しかし、これだけではなく他のコードも裏コードとして
使えるものもあるんです。
こちらの下段の水色で囲んだコードはコードの機能としては
『トニック』となります。
こちらにも裏コードを適用してみたいと思います。
こちらの五度圏の図の通り、Cメジャースケールのトニック・コードの
裏コードは以下のルートノートを使用したコードということになります。
CM7⇔Gb(F#)
Am7⇔Eb(D#)
Em7⇔Bb(A#)
一つずつ見ていきましょう!
トニック・コード/ルート『C』の場合の裏コード
例えば、このようなコード進行があったとします。
この2小節目の『CM7』にルートノート『F#』のコードを使ってみます。
ここでは2小節目の『CM7』の代わりに『F#m7b5』のコードを使ってみました。
なぜ、このコードを使ったかというと、、、
『F#m7b5』を選んだ場合は図の通り、『#』の付く音が1つだけで、
残りの3つの音は『ラ、ド、ミ』と『ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ』の中の音と
共通なので、違和感が少ないんですね。
『F#M7』を選んだ場合は(CUBASEの仕様上『GbM7』の表記になってます)
図の通り、『#』の付く音が3つもあって(共通音が1つしかない)、
違和感が大きくなります。
もちろん、違和感が大きい雰囲気にしたい場合は意図的に
共通音の少ないコードを選ぶのもアリです。
トニック・コード/ルート『A』の場合の裏コード
今回はこちらのコード進行で進めます。
この2小節目の『Am7』にルートノート『Eb』のコードを使ってみます。
今回は共通音が2つ存在する『EbM7』を選んでみました。
トニック・コード/ルート『E』の場合の裏コード
今回は最初に使用したCM7→Em7→FM7→G7という進行を使いました。
この2小節目の『Em7』にルートノート『Bb』のコードを使ってみます。
こちらは共通音が3つ存在する『BbM7』を選んでみました。
裏コード上のメロディーはどうする?
コード進行は良くなったけど、メロディーはどうしよう?ってなりますよね。
基本的な考え方は以下の2つになるかと思います。
- スケール外のコードを使っていることをアピールしたい場合
- スケール外のコードをさりげなく使っていることにしたい場合
スケール外のコードを使っていることをアピールしたい場合
メロディーを付ける基本中の基本はそのコードが鳴っている時に
目立つ音(コード・チェンジの音や長くなっている音)を
コードトーンに合わせることです。
裏コードは『Cメジャースケール』から外れるコードになるので、
『ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ』以外のコードトーンを使うと
その裏コードをよりアピール出来ることになります。
コードが『BbM7』に変わったタイミングにCメジャースケール上にはない
『Bb』(CUBASEの仕様上『A#』の表記になってます)の音を使ってます。
はっきりとスケール外のコードを使っていることが感じられるのでは
ないでしょうか?
スケール外のコードをさりげなく使っていることにしたい場合
スケール外のコードをさりげなく使っていることにしたい場合は
逆にスケール外の音をメロディーには使わず、
コードトーンであり、『ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ』内の音を使います。
先程の例でいくと、『BbM7』のコードトーンは『シb、レ、ファ、ラ』ですので、
『レ、ファ、ラ』の音をコード・チェンジのタイミングで使ったりすると
さりげなさを演出出来るのではないでしょうか?
メロディーにスケール外の音を使わなかったことで
スケール外のコードをさりげなく使えていると思うのですが、
いかがでしょうか?
まとめ:スケール外のコードを使って、かっこいいコード進行を作ってみよう!
いかがでしたでしょうか?
スケール外のコードを使う方法は他にもありますが、
今回ご紹介した方法は五度圏の反対側の音をルートに持つコードと
入れ替えるだけなので、比較的カンタンに試すことが出来るのではないでしょうか?
また、スケール外のコードを使って、それを際立たせるだけではなく
さりげなく使ったり、様々な使い方をお好みで試していただければ
嬉しく思います。
今回の記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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