あいさん、こんにちは!
第八回も、よろしくお願いします。
今回は具体的に楽曲分析でどのポイントを見ていけばいいのか説明して行きたいと思います。
ノートかメモ帳を準備しよう
楽曲分析を行う上でただDAWを眺めて進めていくだけでも効果がないとは言いません。
しかし、自分でノートに書き込んだり、メモに書き写したりして完成品を見ることによって
モチベーションも出てきますし、記憶の定着にもつながると思います。
ですので、ぜひノートやパソコン内のメモ帳を用意して書き込んでいく形にして行きましょう。
まずは簡単なところで曲のタイトルと分析を実施した日付ですね。
楽曲のセクション構成(曲形式)を明らかにする
Eat Sleep Dance
こちらは前回の下準備でマーカートラックを入れることにより、
おおよそできているかと思いますが、より詳しく見て行きましょう。
こちらは『Eat Sleep Dance』を小節数が分かるように5つに分割してみました。
正直自分には珍しいタイプの楽曲で、
このセクション分けが正しいのかどうかは自信がありません。
あいさんはどうでしょうか?こちらと見比べてみてください。
とりあえず、もう一曲の方を進めてみましょう!
I’m With You
こちらの曲もやってみましょう。
ワンコーラスだけですが、こんな感じになるんではないでしょうか?
一般的にいわれる「A メロ」「サビ」などに相当するまとまりが
どのようにつながって曲が構成されているかを明らかにしていきます。
通常ポップス・ロックなどの楽曲は、「ブロック」「セクション」などの概念をもとに、
ある程度のまとまりを感じさせる部分が切り替わりながら展開していきます。
この曲は最も一般的な『A メロ→B メロ→C メロ(サビ)』の構成で出来ていますね。
これが理解できたら、メモ帳に記載しておきましょう。
今回はワンコーラス分だけの分析にしましたが、当然ツーコーラス目(二番以降)、
イントロ、アウトロ、ギターソロ、間奏など、
ほかのセクションが付随する曲もたくさんあります。
その他、よくある曲形式としては、、、
- A メロ→B メロ(サビ)
- A→B→A→B→サビ
- サビ→イントロ→A→B→サビ
などもありますね。
キーを明らかにする
曲分析をするにあたりその曲のキーを把握することは非常に大事なことですが、
今はCHORD AI等を使って簡単にキーを把握することはできます。
しかし自分でキーを把握できるような能力も非常に大切なことになります。
キーを把握する方法はいくつかあるのですが、見分けやすい方法としては
曲の最初のコード、最後のコードはそのキーのトニック
(Cメジャースケールであれば、Cメジャーコード
または並行調のAマイナーコード)になっていることが多く、
これを判別することによりキーがわかる確率が上がります。
またその曲で使っているコードを調べることによりキーを把握することも可能です。
どのキーのダイアトニック・コードが使われているのか?
ドミナント・モーションの箇所が分かれば、何のコードか?など、、、
私個人的に一番大事なことはその曲の終わった雰囲気がするところを感じるということです。
今回の曲は
Eat Sleep Dance、I’m With You共に『Bメジャー』ですね。
コード進行を明らかにする
『Eat Sleep Dance』を分析していこうと思ったのですが、
これがコード進行中級編で説明したいことにちょうど良かったので、
ここでは一旦保留にしておきます。
ここでは、『I’m With You』で進めていきますね。
キーは分かりやすいように、『Cメジャーキー』に変更しました。
Aメロは、ダイアトニック・コードを使った、シンプルな進行ですね。
『F』のコードは少しズラして、2拍目ウラでコード・チェンジしています。
この2小節を4回繰り返して8小節のAメロになっています。
Bメロも、ダイアトニック・コードを使った、シンプルな進行ですね。
サビも、ダイアトニック・コードを使った、シンプルな進行ですが、
2回目の『G』だった部分を『E』に変更している部分がキュンと来ませんか?
これが以前説明した『E7』→『Am』のマイナー系ドミナント・モーションの
三和音版ですね。
この曲のワンコーラス分のコード進行解析はこんなところです。
いろいろなキーでこれを実行すると混乱するので、
Cメジャースケールに一度置き換えて、
番号で考えるディグリーネームの考え方で進めるのがおすすめです。
サビの部分では4156m415 4136m2m14といった感じですね。
セクションごとの分析
次にセクションごとの分析を進めたいと思います。
メモ帳をこんな感じにしてもいいかもしれませんね。
セクション冒頭のコード
一つ目の分析として、それぞれのセクション冒頭にあるコードを確認し、
それをダイアトニックコードに紐づけて把握します。
⚫ A メロ=Am
⚫ B メロ=F
⚫ C メロ(サビ)=F
以前解説したと思うのですが、セクション冒頭のコードは重要です。
そのセクションの雰囲気を決定づける力があります。
セクション冒頭のコードにはダイアトニック・コードの
1番目、2番目、4番目、6番目のコードで始まることがほとんどです。
この曲では、Bメロとサビが同じ『F』で始まっていますが、
個人的には最初は隣り合うセクションは違うコードで始めたほうが
雰囲気を変えられるのでおすすめです。
では、こちらもメモしておきましょう。
(エクセルに変更しました)
セクション冒頭のコードの位置付け
次に、これらのコードの位置づけを考えます。
C-メジャースケール=ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ
=(1)CM7、(2)Dm7、(3)Em7、(4)FM7、(5)G7、(6)Am7、(7)Bm7(-5)
⚫ A メロ=Am (6番目)=トニック(T)
⚫ B メロ=F (4番目)=サブドミナント(SD)
⚫ C メロ(サビ)=F(4番目)=サブドミナント(SD)
こういうことになりますね。
これもノートに追加しておきましょう。
コードの拍数
次の分析項目として、各ブロックにおいてそれぞれのコードが
どの程度の拍数(長さ)で扱われているかを確認します。
ここは楽曲によって、まちまちなので、自分が後で見て
わかりやすいように書いておきましょう。
この場合は、少しコードチェンジの位置が特殊ではありますが、
『1小節に2個、1小節に1個』で2小節分x4回とかですね。
この場合は、『1小節に2個、1小節に1個x3』で4小節とかですね。
この場合も、少しコードチェンジの位置が特殊な箇所はありますが、
『1小節に2個x3、1小節に1個』で4小節分x2回とかですね。
ここで、特に気にしてほしいのがコードは1小節に1個、または1小節に2個の
場合が多く、その際に各々をどう感じるかを気にして欲しいです。
コードが1小節に1個であればゆったりしたような感じがするかもしれません。
コードが1小節に2個であれば少しせわしなく感じるかもしれません。
またコードが2小節で1個、4小節で1個というケースもあります。
その場合はさらにゆったりとした感覚があるでしょう。
セクションごとの雰囲気を変えるために、例えばAメロはコードが1小節に1個、
サビはコードが1小節に2個など変化をつけるのもいいと思います。
コード進行の締めくくり方
各セクションのコード進行がどのような形で締めくくられているかを分析します。
Aメロはこちらのパターンを4回繰り返しているので、
『G』で終わっていますね。
Bメロも『G』で終わっていますね。
サビは『F』で終わっています。
ここで注目して欲しいのは、次のセクションにつなげるという意識です。
Aメロ、Bメロ共に『G』→『F』というコード進行になってますね。
これは以前説明した隣に進む進行になりますので、
非常にスムーズに次のセクションに進行しています。
セクション同士を『G』→『C』とドミナント・モーションで
進むこともよくあります。
サビに関しては、サブドミナントの『F』で終わっています。
曲冒頭の『Am』に戻るところなので、めちゃくちゃ進みやすい進行ではないですが、
意図としては、トニックで終わらせないようにすることで、
まだ曲は続きますよ~という雰囲気は出てますね。
完全に終わらせる時は、
明るく終わらせるなら基本的には1度の『C』
暗く終わらせるなら基本的には6度の『Am』が多いですね。
定番を嫌って、意表を突く終わらせ方もたまにはありますね。
セクションごとの小節数
今までの作業で一目瞭然ですが、こんな感じですね。
以前に別の回で説明しましたが、セクションは4の倍数、
4小節、8小節、16小節等で構成されることが多いです。
しかし、6小節、7小節等もわりと見かけるので、
そういう場合はどういった効果があるのだろうか?と、
考えてみるのもいいですね。
実際のコード進行は?
最後にコード進行をメモしておきましょう。
実際のコード・ネームとディグリーネーム両方記載がオススメです。
こんな感じで気になる所を赤字にするのもいいですね。
まとめ:第八回 あいさん用 楽曲分析編①基本編
今回は楽曲分析でコードと楽曲構成に絞った説明をしました。
メロディーに関しても楽曲分析を説明したいのですが、
かなりの量になってしまいますので、また先の講座で説明したいと思います。
こういうふうに視覚的にメモを取ったりすることで、
何気なく聴いていた曲がより理解できるようになるのではないでしょうか?
次回は『EAT SLEEP DANCE』を使って実際にコード進行の分析を進めたいと思います。
そして実例をもとに初心者編のコード進行を少し超えたところの説明をして行きたいと思います。