第四回 あいさん用 初心者向け 音楽理論 / ディグリー・ネーム、マイナー・スケール

あいさん、こんにちは!

第四回も、よろしくお願いします。

ディグリー・ネーム

ディグリー・ネームとは先日説明したコードをそのキーに基づいて
数字で表したものです。

C-メジャースケール=ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ
=(1)CM7、(2)Dm7、(3)Em7、(4)FM7、(5)G7、(6)Am7、(7)Bm7(-5)

前回は触れなかったのですが、ここで重要なのは
ダイアトニック・コードの◯番目はメジャー、△番目はマイナーとかが
決まっていることです。

下の図で法則を覚えてほしいのですが、ディグリー・ネームに
ローマ数字が使われることが多いので、そちらで表記しますね。

C-メジャースケール=ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ
=(1)IM7、(2)IIm7、(3)IIIm7、(4)IVM7、(5)V7、(6)VIm7、(7)VIIm7(-5)

ここで、他のキーも確認してみましょう。

D-メジャースケール=レ、ミ、ファ♯、ソ、ラ、シ、ド♯
=DM7、Em7、F#m7、GM7、A7、Bm7、C#m7(-5)

もちろん、ルートノートは変わりますが、
1番目はM7、2番めはm7など、C-メジャースケールと一緒ですよね。

この◯番目はメジャー、△番目はマイナーのルールはキーが変わっても
変わりません、これを覚えるようにしておきましょう。
(今の段階では他のキーのことはあまり考える必要はありませんが、
 知識として話しておきました。
 最初はC-メジャースケールで理解して、C-メジャースケールで好きな曲を解析して
 C-メジャースケールで作曲する方が早道だと思います。

MOE SHOPでディグリー・ネームを研究

自分の好きなアーティストの話をした方が、より興味を持って
取り組めるので、少しMOE SHOPの例を出しますね。

現段階では、MOE SHOPの曲を詳細に解析していませんので、
CHORD AIの解析が100%合っている前提で進めますね。

これはパソコン版をスクショしました、EAT SLEEP DANCEの最初の部分です。

①パソコン版とスマホ版で解析が違った
②スマホ版にはローマ数字が出るが、パソコン版にはローマ数字が出ない?

②はあいさんが何か知っていたら、教えて下さい!

今回は左上に『B』とあるので、Bメジャーキーですね。

B-メジャースケール=シ、ド♯、レ♯、ミ、ファ♯、ソ♯、ラ♯
=BM7、C#m7、D#m7、EM7、F#7、G#m7、A#m7(-5)

これを使っていきましょう!

①まず、ピンクのD#7を見て下さい。
 スケール表に従うと、D#は3番目のコードでマイナーコードになるはずですよね?
 しかし、ここではメジャーコードになっています。
 これに関しては、今回の記事の後半で解説します。

②次に、水色のF#m7, B7を見て下さい。
 これも、①と同様F#は5番目のコードでメジャーコードになるはずで、
 Bは1番目のコードで、メジャーはメジャーでもM7コードになるはずです。
 これは、後の中級編の最初で伝えたいオススメ、オシャレ、テクって感じです。

ここで何が言いたいかというと、基本的に一般的な楽曲は
スケール表に則った基本のコードを使いつつも
ところどころこの基本をずらして、聴かせどころを作っているんです。

個人的には4番目のコードである、EM7から曲をスタートさせているのも
非常にいいなぁと思います。
(曲の最初は安定している、1番目や6番目のコードから
 始まることが多い)

ぜひ、スケール表を片手に自分の好きな曲をこういう目線で
解析するのもオススメです。

マイナー・スケール

マイナー・スケールの説明の仕方

これまではメジャー・スケール、メジャー・キーについて
話してきました。

ここからはマイナー・スケール、マイナー・キーについて
話していきます。

一般的な音楽理論の本では、これらを別物と考えて
説明するほうが多いのですが、僕は一緒に考えたほうが
分かりやすいと思うので、そのように進めます。

メジャー・スケールには必ずマイナー・スケールの仲間がいる

以前に少し話したと思いますが、メジャー・スケールには必ずマイナー・スケールの
仲間がいます。

どういうことかというと、スケールの音、ダイアトニックのコードが
共通しているということです。

つまり、Cメジャー・スケール、Cメジャー・キーは
基本的に白い鍵盤しか使わないスケールの音、
ダイアトニックのコードを使いますが、
同様のマイナーの仲間がいるということになります。

このような関係を音楽理論用語で『並行調』といいます。

マイナー・スケールの仲間の見つけ方

これも以前少し話した記憶がありますが、
マイナー・スケールの仲間の見つけ方には法則があります。

例えば、Cメジャー・キーのルートノートはもちろん『C』ですが、
メジャー・スケールの6番目の音をルート音とした
つまり『A』の音をルートした、スケール、ダイアトニック・コードを
使うキーがCメジャー・キーの仲間のマイナー・キーになります。

C-メジャースケール=ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ
=CM7、Dm7、Em7、FM7、G7、Am7、Bm7(-5)

A-nmスケール=ラ、シ、ド、レ、ミ、ファ、ソ
=Am7、Bm7(-5)、CM7、Dm7、Em7、FM7、G7

比べてみて下さい。

スタートする位置が違うので、音の並ぶ順番は変わりますが
使っている音やコードは全く一緒ですよね?

マイナー・スケールの並び方

メジャー・スケールの復習ですが、

C-メジャースケール=ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ
=CM7、Dm7、Em7、FM7、G7、Am7、Bm7(-5)で
隣の音との関係は『全』『全』『半』『全』『全』『全』『半』に
なっていると説明しました。

聴いた感じは明るい感じですよね?

では、マイナー・スケールではどうでしょう?

聴いた感じは暗い感じですよね?
これは隣の音との関係が影響しています。

C-メジャースケール=ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ
隣の音との関係は『全』『全』『半』『全』『全』『全』『半』に
なっていますが、

A-nmスケール=ラ、シ、ド、レ、ミ、ファ、ソ
隣の音との関係は『全』『半』『全』『全』『半』『全』『全』に
なっています。

一番のポイントは1番目から3番目までの関係です。

メジャーは『全』『全』で半音4個分、
マイナーは『全』『半』で半音3個分、この半音1個分の違いが
暗さを演出しています。

メジャー・コードとマイナー・コードの箇所でも
同様の説明をしましたが、同じ理屈です。

調号について

調号ってわかりますか?

小学校の音楽の授業でも習ったと思いますが、
楽譜の先頭についている、#やbの数を表す記号です。

これは何かというと、このキーの時はデフォルトで
この音には#やbが付くから、いちいちその度に記号を
つけるのが面倒だから、特別な指示がなかったら
最初の指示に従ってね、ということです。

もう少し、詳しく説明しますね。

C/Amキーを見て下さい。
何も付いてませんね。

C-メジャースケール=ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ
=CM7、Dm7、Em7、FM7、G7、Am7、Bm7(-5)

A-nmスケール=ラ、シ、ド、レ、ミ、ファ、ソ
=Am7、Bm7(-5)、CM7、Dm7、Em7、FM7、G7

には基本的には『#』や『b』が付く音は出てこないから
調号にも何も出てこないわけです。

では、G/Emキーだとどうでしょう?
調号には『ファ』の箇所に『#』がついています。

G-メジャースケール=ソ、ラ、シ、ド、レ、ミ、ファ♯
=GM7、Am7、Bm7、CM7、D7、Em7、F#m7(-5)

E-nmスケール=ミ、ファ♯、ソ、ラ、シ、ド、レ
=Em7、F#m7(-5)、GM7、Am7、Bm7、CM7、D7

やはり、スケールの『ファ』の箇所に『#』がついています。

逆にいうと、G/Emキーの場合は『ファ』の音が出てきたら
狙ってやるのでなければ、基本的にはおかしい、
『ファ#』の音が理論上合いますよってことですね。

僕が思うメジャー・キー、マイナー・キーの考え方

以前LINEで送った、こちらですが、見てもらうと、

Aメロは『Am』で始まっており、暗いというか少し哀愁を感じるセクション
サビは『C』で始まっており、明るいというか少し快活なイメージ
(画像には出てませんが、最後のコードは『C』です、
 ので、明るく終わっている感じになっていると思います。)

こんな感じで、この曲はメジャー・キーなのかマイナー・キーなのかって
考えるよりも、部分部分で特に最初のコードや最後のコードを
意識することでここはメジャーっぽいとかマイナーっぽいとか
という感じで考えるほうがわかりやすいのかなぁと
個人的には思います。

マイナー・キーのドミナント・モーション

マイナーキーにおいて、1つだけ決定的にメジャー・キーと違い
かつ非常に重要だと思う概念があります。

Cメジャーキーでのドミナント・モーション覚えてますか?

C-メジャースケール=ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ
=(1)CM7、(2)Dm7、(3)Em7、(4)FM7、(5)G7、(6)Am7、(7)Bm7(-5)

Cメジャーのダイアトニック・コードの5番目から1番目に進むことで
強く進行し、終わった感じも強く感じさせる進行でしたね。

では、並行調のAマイナーのドミナント・モーションはどうでしょう?

A-nmスケール=ラ、シ、ド、レ、ミ、ファ、ソ
=Am7、Bm7(-5)、CM7、Dm7、Em7、FM7、G7

理屈からいくと、Em7→Amとかの進行になりますよね?

聴いてみてどうですか?

別に進行としては問題ないけど、終わった感はそんなに感じないと
思いませんか?

なぜか?

それはメジャー・スケールの場合に存在していたトライ・トーンが
マイナー・スケールには存在しなくなるからなんですね。

そこで、それを解消するために
(厳密にはそのためだけでは、ないのですが、、、)

ハーモニックマイナースケールというものがあります。
ちなみに今まで話していたのは、ナチュラル・マイナー・スケールという
ものになります。

A-nmスケール=ラ、シ、ド、レ、ミ、ファ、ソ
=Am7、Bm7(-5)、CM7、Dm7、Em7、FM7、G7

A-hmスケール=ラ、シ、ド、レ、ミ、ファ、ソ♯
=AmM7、Bm7(-5)、CaugM7、Dm7、E7、FM7、G#dim

見慣れないコード等も出てきていますが、
今の段階では赤字の部分だけ注目して下さい。

音でいうと、7番目の音に『#』が付きました。
それにより、5番目のコードが『Em7』から『E7』に変わりました。

こちらを採用して、ドミナント・モーションを作ってみましょう!

どうでしょう?

かなり進行感が強まり、切なく終わったって感じがしませんか?

この『E7』というコードがオシャレ感を出す第一のコードです。
C/Amキーなのに黒い鍵盤が出てきているのもポイントです。

これがリスナーにちょっとインパクトを与えられる技とも言えますね。

『E7』→『Am』『Am7』がドミナント・モーションで
一番使いやすい使い方ですが、
隣への進行も強い進行ですね?

ちょっと試してみましょう。

例えば、『E7』→『FM7』とか

『E7』→『Am』を『Am』の代わりに代理コードの『C』を
使うという考え方も出来ますよね?

『E7』『E』はダイアトニック・コード以外のオシャレ・コード第一弾!

C-メジャースケール=ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ
=CM7、Dm7、Em7、FM7、G7、Am7、Bm7(-5)

A-nmスケール=ラ、シ、ド、レ、ミ、ファ、ソ
=Am7、Bm7(-5)、CM7、Dm7、Em7、FM7、G7

A-hmスケール=ラ、シ、ド、レ、ミ、ファ、ソ♯
=AmM7、Bm7(-5)、CaugM7、Dm7、E7、FM7、G#dim

今まではこの中から使いやすいCM7、Dm7、Em7、FM7、G7、Am7を
メインに使うことを推奨してきましたが、これからは
この『E7』『E』もどんどん使っていきましょう!

考え方としてはA-hmスケールの5番目のコード、
もしくはC-メジャースケールの3番目のコードをメジャーに変更という
考え方でもいいですね。

もちろんキーが変わっても考え方は一緒です。

MOE SHOPに出てきた実例

ここで実際にMOE SHOPのEAT SLEEP DANCEに出てきている部分で
再度確認しましょう。

この曲はBメジャー・キーということですから、こちらの表を使います。

B-メジャースケール=シ、ド♯、レ♯、ミ、ファ♯、ソ♯、ラ♯
=BM7、C#m7、D#m7、EM7、F#7、G#m7、A#m7(-5)

G#-nmスケール=ソ♯、ラ♯、シ、ド♯、レ♯、ミ、ファ♯
=G#m7、A#m7(-5)、BM7、C#m7、D#m7、EM7、F#7

G#-hmスケール=ソ♯、ラ♯、シ、ド♯、レ♯、ミ、ソ
=G#mM7、A#m7(-5)、BaugM7、C#m7、D#7、EM7、Gdim

『D#7』→『G#m7』という進行ですが、
これは先程まで説明してきたCメジャー・キーでいうところの
『E7』→『Am7』、つまりマイナーキーのドミナント・モーションを
違うキーでやっているだけということになります。

ここも良く聴くと、少し切なさを感じさせる進行ではないでしょうか?
意識して聴いてみて下さい。

まとめ:あいさん用 初心者向け 音楽理論 / ディグリー・ネーム、マイナー・スケール

ちょっと駆け足で説明したので、わかりづらいところもあるかもしれません。

これで初心者が使うコードとしては完了といってもいいかなぁ?

渡している資料を駆使して、使いやすい基本的なダイアトニック・コードを
ベースに1コーラス作成してみて、ポイントポイントに
『E7』を使えないか、試行錯誤してみるなんてのもオススメです。

次回は少し違う方向で、自分の好きな曲を分析するための
下準備に関する話にしようかと思っています。

タイトルとURLをコピーしました